第1話

1/1
前へ
/12ページ
次へ

第1話

「オラオドレ!!いますぐに窓から飛び降りろ!!」 事件は、7月12日の朝10時半過ぎに名古屋市千種区内にある公立小学校の教室で発生した。 事件が発生した教室は、大貝きよひこ(40歳)が担任をしている4年生の教室であった。 事件の発端は、男子児童が同じクラスの児童と物の貸し借りのことをめぐって大ゲンカになったことである。 その現場をきよひこが目撃したので、ブチ切れた。 きよひこは、先に手出しをしてきた男子児童に『窓から飛び降りろ!!』と言うて死を強要した。 強要された男子児童は、教室から飛び出した後に、行方不明になった。 きよひこは、男子児童一人が行方不明になったと言うのに、それを放置した。 そのような状態が数日間つづいた。 そして、7月18日頃に一大事が発生した。 名古屋市の教育委員会のホームページに『千種区内の小学校の教諭の男が4月頃から児童に暴力を繰り返していたことを知ってて教育委員会は知らん顔をしている気なのか!!』などの書き込みが多数寄せられた。 その後、きよひこが勤務している小学校に監査が入った。 この時、きよひこは無断欠勤した。 当然のごとく、テレビのニュースやワイドショーなどできよひこが起こした男子児童に対する暴力事件が報じられた。 きよひこは、学校へ出勤することができなくなった。 オレ… 学校の先生をやめよう… こんなことになるのであれば、愛知県外の… いいえ、東京の大学へ行きたかった… オヤジが『名古屋の大学ヘ行ってくれ。』と言うから仕方なく地元の大学に進学した… だからオレは大失敗した… オヤジが『学校の先生のほうが初任給がサラリーマンの初任給の5倍で、福利厚生が充実しているなど…人生バラ色だぞ…』と言うたので、オレは仕方なく教員免許を取得した… 仕方なく教員免許を取得して、仕方なく学校の先生になった… そしてオレは… 転落した… オレの人生を返せ… オレの40年の人生のすべてを返してくれ!! そう思ったきよひこは、その日の夜に学校の先生をやめることを訣意(けつい)した。 その日の夜8時過ぎのことであった。 場所は、熱田区内にあるきよひこの家族が暮らしている二世帯住宅にて… 話し合いは、二世帯住宅のきよひこ側の住まいの居間にて行われた。 居間には、きよひこと妻・よしえ(44歳・パート主婦)と両親(70代後半)ときよひこのシングルのきょうだいのともえ(37歳)とたけひこ(30歳・運送業勤務)がいた。 きよひこは、今年度いっぱいでやめることを前提に休養することを家族に伝えた。 それを聞いたよしえが激しく反発したので、話し合いが決裂した。 よしえは、きよひこに対してものすごく強烈な声で攻撃した。 「あなた!!小学校の先生をやめるなんていくらなんでも勝手すぎるわよ!!」 「オレは小学校の先生になりたくなかったんだよ!!」 「学校の先生をやめたあとの生活はどうするのよ!?アタシたち家族はこの先どーやって生きて行けばいいのよ!!」 「そのうちに考える!!」 「あなた!!」 「ちょっとやめてよ!!」 たまりかねたきよひこの母親がよしえを止めたあと、きよひこに今後どうしたいのかとたずねた。 「きよひこ、あんたどうして突然学校の先生をやめると言うのよ…学校の先生のお仕事にどんな不満があるのよ?」 「オレには、学校の先生しかないと言いたいのか!!」 「何を言うているのよぉ…学校の先生のほうがサラリーマンの5倍のお給料をもらえるのよ…福利厚生も充実していて安心した老後が送れる…」 「おい、やめろ!!」 「あなた!!」 たまりかねた父親は、母親を止めたあとに大きくため息をついたあときよひこに泣きそうな声で言うた。 「もうわかった…きよひこが学校の先生をやめたいと言うのであればやめい…」 「あなた。」 「こんなことになるのであれば、家なんか建てるのじゃなかった…」 父親は、悲しげな表情できよひこたちに言うた後、自分たちの住居へ帰った。 今、暮らしている家は、本来ならば2・5世帯住宅であった。 しかし、建設会社の人間が勝手なことをしたので2世帯住宅になった。 なので、名古屋市内の別の区に土地を買い直した。 その後、家を新しく建て直す工事に入った。 その費用は、今暮らしている家をタンポにして、銀行から大金を借り入れた。 きよひこが学校の先生をやめるので、住宅ローンが払えなくなる危機にひんした。 住宅ローンの返済額は、きよひこのお給料とよしえのパートで稼いだ分とたけひこが稼いだお給料で天引き貯金をしている分の一部などと合わせて月13万円であった。 きよひこが学校の先生をやめた場合、ローンの返済ができなくなる… 家族は、きよひこに学校の先生をやめないでほしいと繰り返して言うた。 しかし、男子児童が行方不明になっている事件を犯したので学校の先生をクビになる… それでもきよひこの両親が『やめるなやめるな…』とほざいているので話にならない。 きよひこが犯したあやまちが原因で、家庭崩壊の危機にひんした。 ここより、恐ろしい悲劇の第一幕が始まった。 「イヤ!!やめて!!離して!!」 恐ろしい事件は、夜9時頃に中川区にある旧ナゴヤ球場(かつては中日スタヂアムと呼ばれてた)の敷地内の公園で発生した。 白のブラウスとマゼンタのチェックのスカートの制服姿の少女は、恐ろしい覆面をかぶって、派手なシャツを着ている男2人に車に無理やり乗せられた。 その後、ナゴヤ球場の敷地内の公園の茂みへ引きずり込まれた。 少女は、よしえの連れ子のみちる(14歳・中3)であった。 みちるは、必死になって叫びながら助けを求めた。 しかし、覆面をかぶった男2人は、グーでかわるがわるにみちるの顔を殴りつけた。 「イヤ!!イヤ!!イヤ!!」 (ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!…ドサッ!!) 男たちからかわるがわるに殴られたみちるは、その場に倒れた後、男2人に身体を無理やり押さえつけられた。 「イヤ!!やめて!!やめてイヤ!!イヤ!!」 あしもとを押さえつけていた男が、みちるが着ている制服のスカートをくしゃくしゃにしながらまくりあげた。 (クシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャクシャ…) 「イヤ!!やめて!!」 あしもとを押さえつけている男は、スカートの中に手を入れて、無理やりショーツをひっぱりながら脱がした。 「やめて!!おうちへ帰して…おうちへ帰して!!」 みちるは、必死になって叫んでいた。 恐ろしい覆面をかぶった男2人は、へらへらと嗤い(わらい)ながらスカートの中から引きずり下ろされてゆくショーツを見つめていた。 「やめてー!!」 この時、あしもとを押さえつけていた男がスカートの中に頭を入れたあと、みられたらイヤな部分をシツヨウに犯した。 もうひとりの男は、泣き叫んでいるみちるの顔をみながらニヤニヤと嗤っていた。 そして、スカートの中に潜り込んでいた男がみちるが着ている白のブラウスを思い切り破いた。 (ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!) 「イヤァァァァァァァァァ!!」 (ブチッ…) 続いて、ブラウスの下に着けていたブラジャーが強引に引っ張られて、金具が壊れた。 ブラジャーに包まれていた199のMカップのふくよか過ぎる乳房があらわになった。 男2人は、みちるのふくよか過ぎる乳房をシツヨウに犯した。 「イヤ、おかーさん助けて!!おかーさん!!」 公園内に、みちるの強烈な叫び声が響いた。 みちるは、男2人にシツヨウに犯されてボロボロに傷ついた。 男2人は、うすきみわるい表情でボロボロに傷ついた状態で横たわってグスングスンと泣いているみちるを見ながら言うた。 「おまえの父親が犯したあやまちは、娘であるおまえがつぐなうんだよ!!」 「今度は、お前の大好きなおかーさんか妹がおまえと同じ目に遭うぞ…」 男2人は、ズボンを上げた後に、へらへらと嗤いながら『メシを食いに行こうぜ。』と言うて、その場から立ち去った。 時は、深夜2時過ぎのことであった。 きよひこの家のきよひこの家族が暮らしている住居側のダイニングによしえときよひこがいた。 ふたりは、怒鳴りあいの大ゲンカを繰り広げていた。 この時、きよひこはメイテイ状態であった。 よしえは、きよひこに『住宅ローンの問題が深刻な状態におちいっているのに、お酒をのんでぐでんぐでんになっている場合じゃないでしょ!!』と言いまして怒鳴りつけた。 それが原因で、大ゲンカを起こした。 「あなた!!この先どうするのよ一体!!あなたが学校の先生をやめたら、住宅ローンの支払いができなくなるのよ!!」 「それがどうしたと言いたいのだ!!」 「あなたね!!ぐでんぐでんに酔っぱらっている場合じゃないでしょ!!あなたが家を建て直したいと言うから、この家をタンポにして銀行からお金を借り入れたのでしょ!!」 「そんなん知らんわ!!」 「あなた!!」 「オレは、学校の先生よりも一般の民間企業で働きたかった!!オドレの両親もオレの両親とグルになってオレの人生をめちゃくちゃに壊したから一生うらんでやる!!」 「あなた!!」 「やかましいだまれ!!」 (バシャ!!) きよひこは、のみかけのサントリーホワイトのハイボールをよしえの顔に思い切りかけた。 お酒をかけられたよしえは、キーッとなって怒りながらきよひこを攻撃した。 「キーッ!!なんなのかしらあんたは!!あなたが学校の先生をやめて民間企業に転職をしたらお給料が半分以下に落ち込むのよ!!そうなったら、住宅ローンを払うどころか生活して行くこともできなくなるのよ!!」 「だまれだまれだまれだまれダーーーーーーマーーーーーーレーーーーーー!!」 「だまれはあんたの方でしょ!!」 「なんやオドレ!!再婚妻のくせしてえらそうにしやがって!!」 「あんたこそ、年下夫の甘えに原因があることに気がつきなさいよ!!」 「ふざけるな!!」 (バシッ!!バシッ!!バシッ!!バシッ!!) きよひこは、平手打ちでよしえの顔を思い切り叩いた。 その後、ワーッと叫びながらテーブルをひっくり返して部屋じゅうを暴れまわった。 両親が強烈な声をはりあげて暴れていたのを聞いたみちよは、泣きながらとなりの住居にいる祖父母に助けを求めに行った。 その途中、みちよは玄関で恐ろしい光景をみた。 恐ろしい光景を目の当たりにしたみちよは、大急ぎで祖父母を呼んだ。 それからしばらくして、祖父母がみちよと一緒にきよひこたち家族の住居側へやって来た。 「どうしたんだ一体!!」 「おじいちゃん、おばあちゃん…急いで来てよ!!」 祖父母(きよひこの両親)が玄関に来たときであった。 身体が泥でグチョグチョに汚れて、衣服がビリビリに破れて、顔が真っ赤に腫れてボロボロに傷ついたみちるをみた祖父母は、顔が真っ青になった。 「ああああああああ!!あなた!!あなた!!」 「みちる!!みちる!!一体どうしたんだ!!みちる!!」 祖父母は、ボロボロに傷ついたみちるをみて、強烈な声をあげて泣いた。 7月19日を境に、きよひこは家族が仲良く暮らして行くことができなくなった。 この日を起点に、家庭崩壊のカウントダウンが始まった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加