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翌朝6時過ぎに目覚めてから、ニュースをつけたテレビの横にトイレットペーパーがないなぁと思う。 珈琲を入れて、クラッカーにクリームチーズとドライレーズンを乗せて口へ運ぶ。これは、つまみにすることもあれば、こうして朝食にすることもある。とりあえず2時間分のエネルギーだけ摂れたら、あとはス○バで食べられる。 一応渋滞情報を調べるが、もう1時間もすればわからない。部屋を出る時にはまだ連絡を入れることなく、駐車場へ降り車のエンジンをかけて彼女から聞いた駅をナビにセットする。到着予定時間8時56分か。今が7時5分なのを確認してから ‘おはよう。あと10分ほどで出る’ そうメッセージを送り、すぐに車を発進させた。ラジオでしばらくニュースを聞いたあとは、ボサノバとジャズをランダムに流す。はづはどんな音楽が好きだろう?でも二人でいるときには音楽が必要ないくらい話が途切れないし、自分でも驚くほど口を開け、声を上げて笑っている。 はづのことを考えながら運転する約2時間はあっという間だった。駅前パーキングへ車を止めて待ち合わせのカフェに着いたのがちょうど9時。まだはづが来ていないことに安心して、しかし遠慮なく先にイングリッシュマフィンとアイスコーヒーを注文した。 「あーお待たせ、だいさん。おはよう。いらっしゃい?」 俺が席に座ると同時に現れたはづは、レジカウンターを通り過ぎて俺の隣まで来るとそう言った。 「おはよう。腹へったから食う」 「うん、どうぞ。私も食べよっと」
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