ビジネス軍師の恋愛

Ⅹ

「それ、何？」
「シュガードーナッツとソイラテ。10時のおやつ」
「…9時15分くらいだが？」
「細かいことはいいの。いただきます」
「で、今日のデートコースははづにお任せでいいのか？」
「ダメって言ったら？」
「今全力で考えるだけ」
「ふふっ…あのね、だいさん」
「うん？」
「私、プランニングは結構好きなの。この前みたいに食事の場所を探すのも苦じゃないの」
「頼もしい」
「では、本日のコース発表をしてもよろしいでしょうか？」
「じゃーんと言ってくれ」
「じゃじゃーん、まずはシャチとベルーガに会いに行きます」
「水族館？」
「うん、暑いからね。ショーは屋外で見ることになるだろうけど」
「いい休日になる」
「確定？」
「確定。そのあとは？」
「買い物に行ってキッチン道具なんかを預かってもらってもいい？」
「いい。ひとつ聞いていいか？」
「うん。いくつでもどーんと受付中」
「ははっ…はづは料理するのか？今、実家だろ？」
「レパートリーは少ないけど、自分で作って食べるくらいは出来る」
「それならキッチン道具も必要だな」
「えぇ？私がカッティングボードを買ったのをどう思ってたの？」
「パンやフルーツを切るにも必要だろ？あれ、そういうものを乗せてプレートのように使えるんじゃないか？」
「わぁ、それいいアイデアだ。食パン型で可愛いもんね。9月のお姉ちゃんの誕生日プレゼントに、あのカッティングボードをもう一度買いに行こうっと」