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「気になるワードが散りばめられた会話だな」
「って言いながら、だいさんの顔が笑ってる」
「はづがいるからだろ」
「ふふっ…お姉ちゃん、驚かなかったなぁ…デート、誰と?って聞かれて‘だいさん’って言ったら‘そう、葉月またこっちまで来てるの?’って普通に聞かれた」
「そうか。驚いてもあの口調のままかもしれないぞ」
「電話じゃなければ、それも見分けられるけど今は分からなかったなぁ」
「ん、じゃあ…続きは走りながら聞くとして買い物の場所、教えて」
「ショッピングモールでもいい?」
「どこでも。お供して荷物持ちをさせていただきます、お任せください」
「いい心掛けよのぅ」
「ぷっ…のぅ?のぅって…はははっ…のぅ…ナビに入れて…ははっ…入れてくれよのぅ…ははっ…くだらなくて可愛いって何事?…腹痛いわ…」
「お腹が痛かろうが、真っ直ぐ安全運転してよ?はい、ナビ開始」
そう言って俺の肩を強く叩いたはづに訴える。
「折れた」
「軟弱?」
「撫でて」
「10回だけね」
「1割り増しで頼む」
「よし、11回ね…1、2、3…」
そのまま運転を開始した俺に
「…10、11、はい、折れたの引っ付いたね。15分で到着かぁ、ちょうど車のエアコンがいい感じになった頃に到着だね」
はづが前を向いて普通に話す。
「俺、そういうはづだから‘撫でて’なんて言えるんだな」
「うん?」
「ねっちょりべたべたじゃない、さっぱりでも人に関心がないわけでなくて距離は近いのに寄りかからない。かと思ったら、適度に甘えてくる。はづになら寄りかかられてもいいって思えるよ、俺…はづのこと好きなんだろうな…こういうことなんだな…距離が遠いときも近いときも心地よくて可愛いと思うから」
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