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「だいさん、気をつけて帰ってね」
「ありがとう。楽しかった、とても」
「私も」
「明日も会えて嬉しい」
「うん、10時くらいにね」
「ああ、いくらでもぶらぶらと待てる場所だからだいたいでかまわない」
「だいさん」
「うん?」
「私はだいさんの彼女で、だいさんは私の彼だね」
「うん、ありがとう。すごく嬉しくて…舞い上がりそうだけど…でも…」
「うん…でも?」
「ずっと仲良く一緒に、はづを思いやりながらやっていけるって…なぜだかその自信もある」
「うん、ありがとう。一度だけ、きゅってしてもらっていい?」
車の中でそう言ったはづがシートベルトを外したあとに、俺も同じようにシートベルトを外した。そしてきゅっとハグすると
「ちっさ…」
「だいさん…おかしい、おかしいよ…そのコメント」
「そう言わせておいて…恥ずかしいから」
「ハグが恥ずかしい?」
「ハグはハグで毎日のようだったけど、好きな人を抱きしめるのとは別物だ」
「また明日もハグしようね。ありがと」
彼女がそっと腕を解き、車から降りた。このままでは話も何もかもキリがない…俺がシートベルトをして窓を開けると、運転席側まで来たはづが
「帰ったら電話してね」
そう言い手を伸ばす。俺はその手を握り
「電話する。待ってて」
指先にそっと口づけてから軽く手を上げて車を走らせ始めた。
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