ビジネス軍師の恋愛

Ⅹ

「お姉ちゃん、どこでベビちゃん用品揃えるんだろ？」
「今からか？」
「たぶん。涼しくなってからでいいって言ってたから」

たくさんのベビー用品の間を通りすぎながら話をする。

「インテリアになりそうなオモチャだな」
「オモチャが使える頃にプレゼントしようかな。最初のベビちゃん用品はお姉ちゃんが揃えたいだろうから」
「だな。両方のじいちゃん、ばあちゃんも構いたいだろうから」
「初孫だもんね」
「はづとゆづの兄ちゃんは？」
「長く付き合ってる相手がいるから、その人と結婚するのかな…しないのかな…って感じ。8年ほど付き合っているはずなんだよね」

手を繋いでぶらぶらとゆっくりと歩きながら、くるくると商品を見る。

「この辺り…あっ、これ買う」
「ゴミ箱？」
「179円…ブルーにする」
「鮮やかなブルーだな」
「ふたつと…蓋つき499円、これは1個」
「カート取ってくる」
「ありがとう」

俺がカートを押して戻った時には、自然素材で出来たネットバッグが大小セットで増えていた。

「何に使うの？エコバッグには中身が丸見えだが…」
「玉ねぎとかじゃがいもを入れてぶら下げられないかなぁ…と。フルーツでもいいかな？」
「いろいろ考えながら新生活が始まるって感じだな「わくわく」」

二人で声が揃ったので、またクスクス笑いながら先へ進むと

「ポールハンガー、コートスタンド…この辺り？」
「そうだな。あっ…シンプルなのがあるな」
「これとこれ同じ写真なのに…値段が違う」
「うーん…こっちが30センチ高い193センチだからだな。これにするわ」
「チラッと‘チビッ子’を見るような目を向けないで」
「ははっ、仕上がり163センチのもあるぞ。部屋で邪魔にならないなら揃いで買ってやる」
「いいの？」
「引っ越し祝い」
「やったぁ、喜んで使うよ。バッグやストールも掛けたいし…ありがとう、だいさん」

揃いのコートスタンドをそれぞれの部屋に置くことになった。