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「だいさんの部屋に荷物を預かってもらってるけど、邪魔じゃない?」 「全然大丈夫」 「広いの?」 「部屋はそうでもないけど玄関にスペースがある」 「マンションで玄関にスペース?」 「そう。マンションって、だいたい…こう靴を脱ぐスペースがあって廊下を進んで部屋があるだろ?」 「うん、そうだね」 俺の手振りを見ながらはづがコクコクと頷く。 「うちは靴箱がなくて…この靴を脱ぐスペースの横から廊下の途中までウォークインクローゼットのようになっているんだ」 「なるほど。ゴルフバッグとかベビーカーを置く、みたいなスペースかな?」 「そうだろうけど、棚があってそこに靴を並べている以外は何も置いてなかったから、まだまだ置けるぞ。今度来る?」 「いいの?」 「何もないけどいいぞ」 「そこまで行くなら、自分の部屋も見ておこうかな?」 「鍵持ってる?」 「持ってない。にーさまにまとめて渡したまま」 「じゃあ、湊にも予定を聞いてから決めて」 「うん。もう8月になるから最終出勤日と引っ越し日も決めないと」 「引っ越し業者はいらなさそうだな」 「身の回りの物だけをお父さんが車で運んでくれるって言ってる」 「そうか。はづ運転は?」 「ぴっかぴかのゴールド免許を所持したペーパードライバー」 「ゴールドには違いないな」 「何となく乗らないまま生きて来られたからね」 「でも取得はしたんだ」 「お兄ちゃんもお姉ちゃんも18で取ったから、常識とか当たり前だという感覚で取るのは取った。で、更新はしてる」 「仕事で要らないなら、あとは俺も湊もゆづも送迎くらいするんだからこれからもぴっかぴかのままだな」 「うん。部屋も駅前だしね」 首を竦めて見せるはづの頭を撫でてから可愛い頬をつついた。 「気持ちいい」 「えーそんなにぷにぷにかなぁ?」 「気持ちいい程度にな」
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