ⅩⅠ

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「これ、なに?」 「あ…ゆづと話してて忘れてた。お土産」 「パン?出していい?出すよ?」 「ゆづの土産だけどな」 「お姉ちゃんが重いもの持たなくていいようにね」 さっさと食パン2本をテーブルに出したはづの隣で 「いい香りだね」 ゆづが笑っているからいいのだろう。 「こっちは何か入ってるね、お姉ちゃん。1本まるごとじゃ分かりにくいけど…」 「くるみとレーズン」 「百々さん、ありがとうございます。いつもお土産のセンスがいい」 「もうお昼になるから食べちゃう?お姉ちゃん、お昼どうするつもりだったの?」 「冷やしうどんで良かったら、百々さんも葉月も食べて。その食パンを追加で皆でいただいてもいいし」 「食べるよね、だいさん?」 「ああ。ゆづ、遠慮なくいただいて行く」 「どうぞ。ちょっと待ってね」 「夕月、手伝う。葉月、洗面所と寝室に椅子があるから取ってきて」 「はぁい、じゃあ、だいさんは洗面所の椅子ね」 俺とはづが椅子を持って来ると 「テーブル伸ばせるから…だいさん、ここ持ってて」 はづがダイニングテーブルの下を覗き込んでセットするのを手伝う。 「ありがとう」 「お姉ちゃん、大丈夫。お腹がへって急かしてるだけだから」 「わぁ、大変。急かされてる…でも、もう完成だよ」
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