ⅩⅠ

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「じゃあ、葉月。これで僕たちのリフォームは終わりにする」 「ありがとう。にーさま、お姉ちゃん」 「この鍵はみっつあるんだが」 そう言って湊がポケットからみっつの電子キーがまとまった束を出した。 「ひとつはもちろん葉月が持つだろ?」 「うん」 「あとふたつ…僕はこれを誰に渡せばいい、葉月?ひとつはお母さんたちか?」 「にーさまとお姉ちゃんがひとつ、だいさんがひとつにして。お母さんたちは遠いから、鍵無くしたー熱出たー助けてーって時に役立たない」 「百々に渡していいのか?」 「いいよ。にーさまはダメだと思う?」 「いや。葉月がいいならかまわない」 「だいさんは持っててくれる?」 「ああ。悪用はしないと天に誓う」 「あはははっ…ふふっ…葉月…百々さんって…たまに可笑しいよね?どこって言われると困るけど…ねっ?しろさん」 「そうだな、いい男だ」 「ゆづ、俺は真面目に言っただけだよ?」 「はい、大丈夫…わかっています」 クスクスと笑うゆづの隣で、鍵をみっつに分けた湊がテーブルにそれらを置いた。 「みんな‘せーの’で取るよ?」 「葉月、せーのの意味ある?」 「お姉ちゃん、気合いとか意欲よ。可愛い葉月をいつでも助けてあげるわよっていう気合いを見せて」 「「「あはははっ…」」」 はづのこれには皆で爆笑した。 「はづ、最高っ」 「でしょ?」 そう言って笑った彼女の頭を両手でわしゃわしゃと撫でると 「キャーー、れでーのへあすたいるが…とんでもない彼氏だわ」 と、はづがさらにケラケラと笑った。あー俺は今、幸せだ。
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