第二章

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 妙に不思議なことを言う少年だなと思った。でもそこも興味深いなと、同時に思った。 「なんで、ここにいるんだ?」  もっともな疑問を俺は尋ねてみた。少年は少し間をおいてから答えた。 「ん~ただここにいたいから、かな?」 「雨に濡れながらでもか」 「うん、雨が大好きだから」 「そ、そうなのか」  それ以上の問いは意味がなさそうで俺は口を閉じた。  互いに何も言わず雨音がする心地よい夜の公園で二人きりの世界を満喫した。誰もいない誰にも邪魔されない二人だけの時間がゆっくりと流れていった。  相変わらず俺の心はドキドキしていた。
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