第二章

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 梅雨も六月が過ぎて、七月に入ってしばらくしたら時期に終わるだろう。 「なあ、なんでそんなに雨が好きなんだ」 「ん~なんでって言われても、なんでかな?」  なんか上手くはぐらかされた気がするのは俺の気のせいか。  その時の奏太は物悲し気な表情で真っ直ぐと暗がりの先にある何もない場所をじっと見つめていた。 「雨、ずっとやまないといいな……」  奏太がポツリと囁くように儚げな声音で言った言葉を俺は聞き逃さなかった。
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