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花菜
一人、流桜坂を歩いていた。今日は受験。お互い迷惑がかかるかもしれないから、光希とは一緒に行く約束をしていない。
光希。私の大親友で、何かあったときに真っ先に駆けつけてくれる、そんな大親友。
そして、私はかなりの情報通で知られている。だって情報を知るの楽しいもん。今日の受験会場にいる受付の人が、美澪のお母さんってことも。
そんな、受験と関係ないようなことを考えていたら、前方に光希が見えた。
しかも、美澪や華灯にしっかり絡まれている、最悪のコンディションで。
思わず走り出す。私は、地味に足が速い。自覚がある。あっという間に追いついて、光希に抱きつく。そして、お前ら、
「私の光希に何いってんだこらー!」
気まずくなったのか、美澪は先へさっさと進んでゆく。でも後ろにはもうひとりの敵・華灯がいるから、走る。にしても、この坂、急すぎ。
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