花菜

3/3
前へ
/10ページ
次へ
やっと見つかったらしく、受付を済ませた光希が受験会場へと向かう。 そして私の番。予め手にしていた受験票を見せ、会場へ向かう。 会場は光希と一緒だったらしく、青い顔をした光希が佇んでいた。 これは体調が悪いのではなく、緊張しているだけだ。私が長年光希と一緒にいたときの勘が働いた。 気づいたらしく、光希がこちらを振り向いた。そして、そっと私にこう告げる。 「絶対、二人一緒に受かろうね。」 私はうなずき、光希と指切りげんまんをする。 ゆ〜びき〜りげ〜んま〜ん うそつ〜いた〜らはりせんぼんの〜ます ゆびきった! 指切りが終わり、会場の扉へ向き直る。ちょうど会場が開くところだった。 席は隣同士。心のなかでガッツポーズをする。 そして着席。少ししたら開始2分前のアナウンスが聞こえる。 注意事項に従い、深呼吸をする。 そして、開始の合図とともに問題を解き始めた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加