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おとうさんのおばあちゃんにその事を話すと、
「それは猫又だよ」
とやさしく教えてくれた。
「ねこまた?」
「尻尾、2本あっただろ」
「あった」
「ふつうの猫は1本なんだよ」
そういえばおばあちゃんちのココちゃんはしっぽが1本しかない。
「長生きした猫は、人の真似が出来るようになるんだよ。でもそれはヒミツなの」
「なんでヒミツなの?」
「バレたらその人に会えなくなってしまう。決まりなんだよ」
「なんでタオルをかぶって帰るの?」
「猫は濡れるのが嫌いだからね」
帰ってくると、ぼくは窓の下に傘を置いた
小さくなって使わなくなった黄色い傘。
『このかさ どうぞ』と紙に書いて貼っておいた。
何日かすると、傘は無くなっていた。
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