猫又

2/5
前へ
/5ページ
次へ
おとうさんのおばあちゃんにその事を話すと、 「それは猫又だよ」 とやさしく教えてくれた。 「ねこまた?」 「尻尾、2本あっただろ」 「あった」 「ふつうの猫は1本なんだよ」 そういえばおばあちゃんちのココちゃんはしっぽが1本しかない。 「長生きした猫は、人の真似が出来るようになるんだよ。でもそれはヒミツなの」 「なんでヒミツなの?」 「バレたらその人に会えなくなってしまう。決まりなんだよ」 「なんでタオルをかぶって帰るの?」 「猫は濡れるのが嫌いだからね」 帰ってくると、ぼくは窓の下に傘を置いた 小さくなって使わなくなった黄色い傘。 『このかさ どうぞ』と紙に書いて貼っておいた。 何日かすると、傘は無くなっていた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加