猫又

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けれど、ぼくはある夜、うっかり聞いてしまった。 「ミケ、傘はきにいった?」 するとミケは驚いたように目を見開いて固まったままだったけど 2本の後ろ脚ですっくと立ってパッと傘をさし 僕の顔を見て 「ありがとう」 とさびしそうに言うと 僕の方を何度も何度も振り返りながら、歩いていってしまった。 それっきり、ミケはぼくの家に来なくなった。
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