0人が本棚に入れています
本棚に追加
月曜日
朝、ちはるは二匹よりも先に起きて、外に出ます。それは、牛乳売のおじいさんが、ちょうど牛乳を売りに来ているからです。牛乳は、ビンに入っています。ガラゴロ…ガラガラ…
「おじさーん!牛乳3本くださーい!」
ちはるが呼び止めると、おじいさんはいつものように、枯れた声で
「あいよー。」
と、牛乳瓶を渡してくれるのです。ちはるたちが、あまりお金を持っていない事を知っているので、いつも無料でくれています。部屋へ戻ると、ぐでは起きて、ロップイヤーちゃんを起こさないように学校の準備を始めていました。学校の準備というのは、半紙を何枚かをのりでとめたものと、すずりとするためのすみ、そして筆を準備する事です。ぐではそれを今にも破れそうな麻の布でできた所々糸の出ているカバンに入れました。そして、まだ準備をするものがありましたね。それは、水筒でした。水筒と言っても、プラスチック製品の物ではなく、サイダーや、牛乳の空の瓶に、それまたお茶ではなく、川の水を入れてもっていくのです。それが水筒です。
ちはるは、朝ご飯を持ってきました。朝ごはんと言うのは、漁師さんや、八百屋さんで、余ったり、出品できない物をもらい、それを、囲炉裏で焼いたりしたものなのです。
「いただきます」
ぐでと千春はそう言うと、大根の焼いたものと、釣るときに傷ができて、出品できなかったイワシの焼いたやつを食べ始めました。
「ごちそうさまでした」
二人は、牛乳も飲み終わって、言いました。もうそろそろぐでは学校へ行きます。
「行ってきます」
ぐでは言いました。
「行ってらっしゃ〜い」
ちはるもかえしました。そろそろロップイヤーちゃんが起きてしまいます。
ぱちっ
「びえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
起きた瞬間からロップイヤーちゃんは泣き叫びます。そしてちはるが、
「はいはい、よしよし」
と言って、ポンポン優しく叩いてあげると、泣き止むのです。おむつを替えてあげて、牛乳をあげて、やっと1段落。と、思いきや泣くのでポンポン叩きます。
「ふ〜…」
寝かしつけも終わりました。さて、その頃ぐでは…?
国語をしていました。
『ゐろはにほへとちりぬるを』
を、半紙のノート?に、書いていました。
ゴーン
鐘がなって、休み時間が始まりました。
〜そして〜
ゴーン
休み時間が終わりました。今度は、浜で体操をしました。さて、お昼です。お昼ご飯をもってきました。お昼ご飯はミカンでした。ミカンは、近所のおばさんがくれたのです。
「いただきまーす!」
もぐもぐ…
「ごちそうさまでしたー!」
そして、学校から帰る時がやってきました。
とことことことこ…とことことこ…
「ただいまー」
「おかえりー」
そして夕方…ちはるは晩ごはんをもってきました。アジでした。取る際に、鱗が5、6枚はがれてしまい、売れ残ったものでした。それを囲炉裏で焼いて、その一匹のアジを、ぐでとちはるで、わけあって食べました。
「いただきます」
「ごちそうさまでした」
そして夜です。ロップイヤーちゃんをボロボロのおくるみにくるんで、ぐでと千春の二人は、それまたボロボロな布をかぶって、深い眠りにつきました。ちはるは、ぐでが遠慮がちなので、ぐでに気づかれないようにそっと布をぐでに譲るのでした。
最初のコメントを投稿しよう!