1人が本棚に入れています
本棚に追加
続いては、船内のキッチンを紹介しよう。ソングマン技師やタバヤン先生たちとここで食事をとる。勿論、他のクルーたちもね。
「へえ、アイランドキッチンに広々とした食卓。パン窯までついている。船長、まさか宇宙空間の中でパン焼くんです?」
パンが食べたい時もあるからね。
「それより、パンに必要な天然酵母はどこからとってるんです?」
さっき立体農園あっただろ? あそこの果物から酵母菌を採取したり、穀物のもみ殻から採取し、培養しているんだよ。漬け込む期間は地球とは条件違うから、約一万光年くらいかな。
「そのパン、食べれるんです?」
約一万光年の食感、カメラマンも味わってみるかい? ではここの栄養管理士を呼んでみよう。ミズギンダっ! ミズギンダはまだいてる?
「スカット船長、まだ休憩時間には早いけどどうしたの? そちらは?」
地球から取材に来たカメラマンだよ、紹介しようソングマン技師やタバヤン先生たちの体を支えるミズギンダ栄養管理士だ。
「あ、どうも突然お邪魔したようで。パンダの洋服可愛いですね」
「あらどうも、カメラマンさんは何か食べて行きます?」
「船長が、ここのパンが美味しいと仰っていたので、一ついただけますか?」
「お任せあれ! じゃあスカットバーガー特別サービスね!」
ミズギンダっ! そこまでサービスするのかいっ? スカットバーガーはマックにもモスにも出回っていない奴だけど、カメラマン運がいいねっ! うちのバーガーは...
「一万光年、熟成した燻製肉を、一万光年じっくり寝かしたタレに浸けて焼くのよ。それを一万光年発酵させたパンズで挟むっ! それがこれっ!」
「うっひゃあ、パンズがすんごい膨らんでるし、香りすごい濃いなぁ! タレの甘辛い香りも豊潤で、肉も凄く肉厚じゃないですか。これどこから味わえばいいんだ?」
丸かじりしちゃえ! ミズギンダ、ぼくの説明とったろ。
「いいじゃない、たまのカメラ撮影なんだから♪ カメラマンの兄さん、かぶり付いてみて♪」
「い、頂きますっ! パンズっ! 外パリパリで中ふわふわ、そしてしっとりの生地だ!タレが染み込んで相性バツグンじゃないですかっ! 肉のこのしっかりとした歯ごたえといい、タレが絡んでて、手が止まらない! これレタスとかチーズ挟んでもいけそうじゃないですか?」
みんな軽食にこれ頼むんだけど、カメラマンも所見で完食したひと初めて見たよ。食レポも上手いじゃないかっ!
「レタスはタバヤンに相談して植えて貰うとして、チーズは熟成させなきゃね」
最初のコメントを投稿しよう!