電気ウナギ空をとぶっ!

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「ダチョウくん、キッチン走り回らないで。痛い痛い痛いっ! 小突き回さないでっ!」 「これはみんなのためにワクチンとして大事に使わ、わわわ、わわわ、また追いかけて来ないで。あ、カメラマンさん、船内看護士のサラメンコで~っす!!」 ちゃっかりアピールするんかいっ! カメラマン、彼女がぼくたちの体調を管理してくれている訳だが、医務室も見学していくかい? 「色々と大変そうでしたがいいんですか?」 「あ、医務室の見学ですか? どうぞ自由にして貰って構いませんよ?」 「アポなしでやってますが、化粧とかしなくて大丈夫です?」 「私は大丈夫です、あのダチョウは何とか大人しくしましたんで」 「そうですか」 決まりだね。とにかく宇宙空間は何が起こるかわからないから、健康の管理と準備はしっかりとしておかないといけない。スカット一号には必要な医療器具をたくさん搭載している。ついてきてくれ。 「わかりました。しかし、何故、船内でダチョウを飼ってまでワクチンを精製するんですか?」 地球で精製されたワクチンが船に到着するのは時間がかかるんだ。それでは有事に間に合わないからね。だから宇宙船の中でワクチンをストックしておく必要がある。 「なるほど」 余談だが船内ではダチョウのタマゴを使ったマスクやTシャツも作ったりしているよ。ここから先が医務室だ。手指の消毒をしておいてくれ。
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