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サラメンコ入るよ。
「失礼します」
「はい、いらっしゃい! 改めまして私がスカット一号の看護士サラメンコと申します、あ、髪変じゃない?」
問題ないよ。
「服装、大丈夫っ?」
大丈夫、続けてくれ。
「こちらが、スカット船長やソングマン、タバヤンたちの健康診断や、怪我や病気の治療を行う医務室になります。この奥にワクチンを作る機械があるんだけど、ワクチンは不活化ウイルスだから下手に触らないように」
そうだよ、ぼくやソングマン技師はワクチン接種してるから、感染リスクは少ないけれどカメラマンは逆に感染リスクが高いんだ。サラメンコの指示に従うように。
「用量、用法を守って正しくお使いくださいね、ポンピーン♪」
サラメンコ、カメラの前だからオモロイことしなくちゃ行けないって思ってない?
「船長も人のこといえませんよ、でもダメだといわれると撮影したくなりますね」
カメラマンの血が騒いだな。どうやって作っているかだけ教えてあげよう。
「お願いしますサラメンコ先生!」
ぼくじゃないんかいっ!
「船長説明下手くそだしね。いいよ、ワクチンは例えばスカットウイルスをある細胞に感染させて、色んなくすりや成分を与え、力を弱めるの、こうして抜け殻になったものが不活化ウイルス」
サラメンコ?
「そのスカットウイルスを脂質で包みこみ、体の中で壊れにくくしたのが、ニュースカットワクチンになるわけ。二千年代に出来たのがこのワクチンよ」
サラメンコ? まるでぼくがウイルスみたいじゃないか!
「例えよ例え。そうね医務室にはMRIや、レントゲン、それから点滴などもあるから、船内で何かあった時にすぐ対応できるのよ」
「先ほどはカルシウムサプリメントがあると伺いましたが、サラメンコ先生が管理しているんですか?」
「船内の医務行為は私が一任されているからね。それから面白いもの見せてあげる。これイールクリームっ!」
このクリームはね、日焼けや外傷から身を守ることが出来るんだ。
「イール。つまりヌタウナギのヌタで作ったくすり何だけど、体に塗っても害はないから安全よっ! 一本いっとく?」
「遠慮しときます。それよりさっきのダチョウはどうなったんですか?」
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