Ep.00『唯一人の弟』

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Ep.00『唯一人の弟』

 2024年 8月28日 地球外未確認物質『dot』検出  そんなオカルトのような過去の世界では考えられなかったニュースが世に出回る中、「アイツ」はこの四畳半の部屋に転がり込んできた。 「片倉くん、少しの間でいいからこの子預かっててくれないかしら?」 「はあ……わかりました……」 「よろしく!片倉の兄ちゃん!」 「……よろしく……。」 いつも眼帯をつけている、隣部屋の伊達さん()の一人息子「政己(まさみ)」君。 壁1枚では消しきれないほどの声量と衝撃。鳴り止まぬ地鳴りはついに我が家にも来てしまった。 「兄ちゃんって今何歳なの?」 「……19だけど」 「へぇ〜、そっか!」 聞くだけ聞いて進展しない。教養も常識も存在しない。正直言って面倒なものを押し付けられたなと思っていた。 少しの間こと1週間が過ぎた。解放の時を今か今かと待っていたが、そんなものいつまで経っても来なかった。ここに来てようやく意味がわかった。 本当に押し付けられたのだと。
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