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「行くんだね、政己くん」
その一言でやっと我に返った。
「あっ、いや、なんか勝手に……」
「いいよ、それでこそオカルト好き」
前田さんも階段に足をかけ、一緒に下へとくだって行った。
しばらくすると再び不自然な扉が目に飛び込んできた。
「どうする? 開ける?」
すぐ隣から前田さんの声が聞こえた。今までのビクついていた俺とは少し違っていた。
「ここまで来たら、見てみたいじゃん?」
俺はドアノブに手をかけ、思い切り扉をこじ開けた。
中は煙のようなもので覆われていた。煙より少し粒が大きいような……何かは分からないが白いものが宙に舞っているようだった。
すると突然、隣にいた前田さんが口を抑えて悶えながら倒れ込んだ。
「これ……まさか……!?」
なにが起こっているのかさっぱりわからなかった。なぜなら俺自身には何も異常がなかったからだ。
「前田さん!」
駆け寄ろうとしたその時
ドンッ!!
後頭部から鈍痛が響き渡り、俺もその場に倒れ込んだ。
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