3人が本棚に入れています
本棚に追加
オギャーオギャーと、あの日の雨音のように鳴き声が聞こえる。
胸が自分の意思とは無関係に力強く開くため、半ば強制的に息を吸わなければならず、その痛みで僕は大声を出して泣くしかなかった。
ワンワンと泣き続けながらふと目にも痛みを感じて少し開けてみる。
白いものに射られたような押されたような感覚に「なんだこれ」と思いながらもしだいにぼやけた世界に輪郭が出来てきた。
それと同時に遠くから何かが聞こえる。
あ!
あああ!!
その声は!!
「お母さん!!」
僕は大きく呼びかけたけど、お母さんは目からいっぱいの涙をこぼして唇をかみしめている。
大変!お母さん泣いてる!?
慌てて僕は精一杯の声でお母さんに話しかける。
「泣かないでお母さん!僕が、、、、
僕が必ず幸せにするから!
だから泣かないで、お母さん!」
かみしめていた唇がしだいに緩み始めて、泣きながらにっこりと歯を見せて笑顔になっていく。
良かった、本当に良かった。
ふと、お母さんの後ろで顔面蒼白だけど、やっぱり泣いている人が見えたから
「ん?もしかしてお父さん?
もう!驚いてないでしっかりしてよ!
でも、、、、
泣いてくれてありがとう。
これから、僕、
お父さんの代わりにお母さんを守って行くから心配いらないよ!」
と、僕はウィンクして、
その後すぐに保育器に入れられたんだ。
ま、仕方ないよね。
体重1960gだったからね。
でも、3日は入りっぱなしを覚悟したけど、まさか1週間も入ってるとは思わなかったけどな〜〜。
最初のコメントを投稿しよう!