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 義父と話をしたその翌日の夜、忠雄から長い言い訳の書かれたメールが来た。千里はてっきり離婚を突きつけられるのかと思ったが、そのメールには謝罪の言葉で溢れていた。  自分のした事を反省している、今付き合っている女性とはすぐに別れる、今後一切近付かない。  要約するとそんなことが書かれていた。  千里はどうするか悩み、一先ず夫に家に帰ってくるようにとメールを打った。  忠雄は家に帰り千里の顔を見るやいなや土下座をしてきた。頭を上げずにずっと謝罪の言葉を繰り返していた。  千里はゆっくりと忠雄へ歩み寄り、床に膝を付くと忠雄を抱きしめた。 「謝らないで……、アタシも悪かったのよ……。ごめんなさい。ねえ、私達やり直しましょう。今からなら……、やり直せるわ。ね?」  忠雄はそれに答えるように千里を力任せに抱きしめると、赤子のように声を上げて泣いた。  千里は忠雄の頭を撫でながら、暗闇の窓に映る自分の顔を見つめた。  これ以上無いほどの笑顔が、千里の顔に張り付いていた。
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