隠し子

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 今回回収対象の子供はとある名家のところ。  いろいろと複雑な事情があるらしい。  これまでに閻魔様とやり取りを何度もしているため、自分たちが鬼であることやあらゆる説明はしなくても相手に伝わっているそうだ。 「まあ、今回はちょいと先方も余裕がないらしいから大人しく動かないとな。迷惑かけないように」 「あ、そうなんですか?」 「ちょうど、葬式があってゴタゴタしているそうだ」  そんな時に赤の他人である自分たちが訪れてもいいのだろうかという不安はあるのだが、他人や家族の境界線を引かないほど、大変なのだろう。  響とは一旦別れて更衣室に向かった舞は喪服に着替える。  すぐに合流した後、二人は今世への扉へと立ち向かった。 「さてと、任務遂行と行きますか」 「一応他にもヘルプは呼んでいるからなんとかなるだろう」 「そう思うと心強いですね」  扉を開いた瞬間、響と舞は表情を引き締める。  日常から非日常へ、二人は足を踏み込んだ。 「見た目は子供だけど、魂は……」 「某アニメのような状況だけど、油断禁物ってとこですよね」  お線香の匂いに包まれながらも人間に扮した響と舞は緊張しながらも、大きな仕事に対する興奮を抱えながら中に入る。  過去に起きた恐ろしい出来事を大まかにとらえ、仕事が始まった。
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