デジタル遺産

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デジタル遺産

 遺物、それは故人が遺したもので形見とも言う。  家族や親しかった友人に渡したり、時には捨てたり、まれに資料館や博物館に寄付したりするもの。  故人の大切な想いが込められていて、取り扱いには慎重になったりするものだ。  さて、この遺物には故人の想いによっては強力な呪いを発したりする。  遺された人が呪いに困らないように回収する鬼が2人、地獄からやってくるらしい。  その鬼たちを回収人と人は呼ぶ。  私がその話を聞いたのは姉が死んだ後のこと。  ちょうど私たち家族は姉の遺産に困っていた。  その遺産は呪いのようなもので、あの病弱で儚い姉がやるなんて信じられないもの。 『家族なのに知らなかったのですか?』  家族なら何か知ってるはず、1つや2つ、違和感から些細なことまで。  被害者から責められた母はこう思うだろう。  まさかあの子がやるなんて思わなかったと。
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