『あの世に通じる黒電話』

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ある不思議な黒電話を骨董屋で見つけた半井。 それは『あの世にかけることができる電話』だ。 死んだ人間にゆかりのある人物しかかけられないが、 強くその人を思うとかけられる。 久々に父親と話して生前言えなかった感謝の気持ちを言う。 満足して切ると、 骨董屋の忠告を思い出す。 ただし、『生きている人間にかけてはいけない』 遊びに来た友人が、黒電話で家族に電話をしてしまい、 友人家族は、悲惨な死を迎える。 それを苦に自ら命を絶つ友人。 数年後、半井は年下の彼女と付き合っていた。 自分には、もったいないくらいの美人。 ある日の朝、黒電話で誰かに電話をかけている。 瞬間、絶句した。 ポケットに入れていた携帯に着信がある。 番号は、『自宅』 つまり、その黒電話からかけられている。 『お兄ちゃんの敵!』 彼女は、死んだ友人の妹だったのだ。 自分が、友人を死に追いやったと勘違いした妹による報復だった。 ドクン、と心臓が高鳴る。 死にたくない…と言いながら男はその場に血を吐いて倒れる。 それを見て嬉しそうに妹は笑うのだ。
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