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本棚に追加 「へぇ、偉いな。ちゃんと自主トレも欠かさないとは」
「いえ……」
「でも、あんまり無理するなよ? 身体壊したら元も子もないんだし」
「はい」
増田は靴を脱いでズボンの裾を捲り上げると、そのままざぶざぶと海に入って来た。
「ははっ、冷たくて気持ちがいいな」
増田はそう言って雪哉の隣にやってくると、屈託のない笑みを浮かべた。
潮風に吹かれて乱れる髪が朝日に照らされ眩しいほどに煌めいていて、妙な色気を感じる。
和樹がしきりに「マッスーがカッコイイ」のだと騒いでいたのを思い出す。確かにこうして見ると整った容姿をしているし、バスケに関しては厳しくて容赦のない一面も持っているが、基本的には面白くて良い先生だと思う。
そういえば、
「先生はいつから……」
「ん? なんだ?」
「……っ、なんでもありません」
「?」
危ない、自分は今、何を聞こうとしていた?
和樹との関係を聞くのは、自分が覗いていた証明をしてしまうようなものだ。そんなことは絶対出来ない。
何か話題を変えなければと思って口を開きかけたその時――。
「お? なんだ、なんだ? もう一人くそ真面目なヤツが来たみたいだな」
「えっ?」
増田の言葉につられて振り返る。その視線の先には今、一番会いたくなかった人物の姿があった。

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