名探偵江戸川一の事件簿

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「農家の勇者がいてもいいじゃないですか。  では、次の方どうぞ〜」  次の村人は先ほどの村人とほとんど変わらない見た目をしていた。 「俺はヤマーダ! 水切りの勇者の俺こそ、本物の勇者だ!」 「水切りの勇者?」 「ああ、俺は、なんと! 水切りが30連続でできるんだ!」 「それは、素晴らしいですね! ハジメさん、またすごい勇者候補の方がいましたよ!」 「…………」  水切りが魔王討伐の何の役に立つんだ!  ――そして次の村人も、その次の村人も、薪割りの勇者、肉焼きの勇者、くねくね踊りの勇者など、どう考えても魔王を倒せそうな者はいなかった。 「……先に魔王を探そう」  ハジメは勇者探しを諦めた。  再び、ハジメは村人たちに問いかける。 「魔王の心当たりのある者はいるか?」  勇者の時手を上げなかった半数全員が手を上げた。 「……では、その誰かを指さしてくれ」  嫌な予感がしつつ、ハジメは村人たちに言う。  案の定、全員自分を指さした。 「なんでやねん!」  ハジメはたまらず絶叫した。
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