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「それなら僕も特進クラスにする」
「橘くんでもさすがに無理だよぉ」
「うちが毎年いくら寄付金を積んでると思ってるんだ!」
「坊ちゃん...」
イチカが心底呆れたような顔をしているけど、今はそんなの気にしてられない。
「今から事務局に行ってくる」
「待って!」
走り出そうとした僕の肩をツジが掴む。
「あのね、橘くん。
うちの学校の特進って超...ちょ〜偏差値高いんだよ...」
憐れんだような目で見つめられて、世の中にはお金で解決できないこともあるという現実を突き付けられた気分になった。
「坊ちゃん、お戯れはそのくらいにしてそろそろ教室に行きませんと」
打ちひしがれる僕のことなんてイチカはお構いなしなようだ。
とりあえず僕たちは校舎へ移動した。
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