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天の川流星群
墓前に手を合わせ、亡くなった方に対して自責の念が或る。
私は、自分が病み、荒み切るそんな砂漠の様な荒野を、渡り歩いた。
坂の下に見えたあの街に、今は父と母が眠っている。
私は、随分今の世界の事を余りにも、自分とかけ離れていると、どうにかならないもんかネ?と、寝そべり、後ろに腕を廻して、どうでもいーやァ、そんなことよりさ、ね?ショートケーキ食べよ?と彼女に持ち掛ける。
彼女は、そんな私の事を、まるで自分の子供の様に、見えると言ってくれる。
私が、自分の過去を想い出して、今でも良く生きてきたな…と生き残っている事をただ思い遺す事の無い様に悔いなく散りたい。
だから、もし彼が死んでも、私はどうか、その時迄には、私の中に貴方が生きていてくれたら、どんなに嬉しいだろうなナァんて、いつまで経っても乙女心を忘れていない。
彼はキミはロマンチストだね、彼は微笑む。
彼は、時折自分がこの街から消えた時の事を考えて夜も眠れないと云うけれど、そんな事言ってはいるが、意外とこの夜の街が、明かりの灯る、蝋燭の火が熱く燃えているのを、まだ大丈夫、と落ち着いていた。
彼は昔、世界絶景と云う類の映像で、ランタンを飛ばす風習が或る動画を見た事が有って、それがウソなんだよ、と訳の分からない事を云うが、彼の言っている事に、何故わたしが、こんなにも感じてしまうのか、どうしても説明し切れない。
廻りが彼の事をどう思うかは差し於いても、少なくても、理屈抜きで彼と云う感性がずば抜けて鋭いのは、舌を巻いていた。
だから、今まで会ってきたどんな男性よりも、寧ろ、どんだけ女心分かってんだ?的なある種、オンナみたいな触覚?とも、センサーとも付かないモノが時折、見受ける。
女子高生と意外と仲良くしてるので、彼ってなんか、キモくないのよネ?
自然とその場に居て、好きな子には、お構い無しに好き!と良い、誰に対しても、目移りし易く、アリャ、好きだわ!?!?どうしよう?!?ごめんね?!!?もう、全員好きだから赦して!!!!とアリャ、シモウタとどっかで、ハイテンションで、そこにいるレイヤーの達の独りが、思わず、ブワッと吹き出してしまう人がいるとか居ないとか笑笑。
勿論、女装してる時だけダケだけだけどね?(笑)
彼は変身して、忘れているが、そうしてる時だけ、そのひとときだけは、彼はオンナに成り切り、我を忘れる。
けれど、メイクしない普段はそんな格好はしないので、風呂場で男性の裸を見るたび、彼は目のやり場に困るし、身体の反応がした際、洗い場で処理をしなければまだ勃っているので、出すしか無い。
もし、仮にも、誰かの肌に触れてしまうと後々、色々と厄介な事になる。
彼は分かっているが、正直、時折自制が効かなくなる。
時折、何か心に抱えているのか、彼はジっと風呂場の段差の部分で、物想いに耽っている。
自分が、周りからもう既に、どうやらLGBTラシイ、とザワつき、子供などには、近付かない様に、目を見張られ、監視されている。
柘榴を、好んで喰べていた。
実を齧ると、ブシュッと汁が吹き出し、真っ赫な、血のような血飛沫に見紛うかの様に、飛び散り、頬にビッと貼り付く。
赤は彼にとっては、好ましく無い色だった。
だが、浪漫派なのは、違いなかった。
星空を眺めるのが、趣味が合う。
ヨゾラには無数の煌めきが瞬いてイル
そんな歯が浮く様な、キザな台詞が、さらりと湧いて出て、感じたそのままを素直に内に込めず、隣の彼方の吸い込まれて行きそうな空を見上げていたので、何故かニンゲンでは無いのかも知れないミステリアスな感じがして、私は胸がときめくのを、いつ彼にバレないか、ヒヤヒヤドキドキしている。
胸がトクン、と脈打つのを、確かに感じるからだ。
愛してる…
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