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session3.境界線の彼方
信じられない、とにかく黙り込み、彼女はじっと画面越しに伝わる報道を唖然として見ていた。
電話をかけ、編集者の丸山に繋いだ。
あのさ、良い加減にしてよ、私の事舐めてんの?
…す、、すみません。
とになく平謝りする彼は、私から見て不甲斐ない。
レコードから、ジャニスジョップリン、書棚から、戦争と平和を取り出し、パラパラとページをめくりながら、次の構想を練っている事を伝えた。新作を考えている。面白いものになると思う。
は、ハイ…
その声に朝霞はやりきれなさを感じざるを得なかった。
ネェ!!良い加減にしてよ!!!私ばっかりさせて、少しはエゴサしなさいよ!!舐めてんの???!!
怒鳴りつけ、ガナリ聲で、私は彼に悪態の限りを尽くした。
散々ブチギレた、後私は漸く自分が損なわれている事に気づき、彼に謝った。
電話を切り、一人の空間に浸り込み、私はこのプロジェクトが如何に、負担になっていたのか、そして、このコンセプトをたった一人でしている事が、私が心を苛んだ訳だと知った。
ジャニスがコズミックブルースを歌い、私はそのリズムを胸に沈ませた。
情報が足りない事に気づき、私は自分の日常に戻る事にした。
私は、一般社会に舞い戻る事にした。そう言う、日本を買い占めましょうなんて、ハゲタカみたいな金融ドラマを私が作る気にはならない事はとうの昔にわかっていた事だ。
周りの誰も、この壮大なプロジェクトにイマイチ乗り気でない事を見透かし、私はそのプロジェクトを破棄した。
それだけ命を張る値打ちもナイ
ゴミ箱を一瞥し、私は冷めたので、冷えたビールを冷蔵庫から取り出し、缶を開けた。
プシー
音を立てて、泡を呑む。
何が言いたかったのか、忘れてしまう。
テレビを付けると、古い時代の映画、タクシードライバーが、再放送していたので、久々にテレビに見入った。
可愛かったなァ、ジョディ・フォスター。
初めて映画というものがヤバいものである事を教えてくれた映画だった。それから、私はロバートデニーロの出演作を、片っ端から、レンタルビデオ屋で、借りまくり見るようになった。
そう言う米国のギャング抗争ものが、私を虜にしたのだった。因みに、あの映画のラストは私にはどうしても、腑に落ちない。
複雑になるラストだった。
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