新婚初夜

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 締め上げる手を引きはがそうとするが、そのまま前後に擦りあげられると快感に泣くしかない。 「アキっ、もう、イク……離してぇ」  足先まで快感に震える。 「いいぞイって」  擦りあげながら腰を激しく打ちつけられて、のけ反った。促す様に前後に擦りあげられて、あっけなく、悲鳴を上げて白濁した物を噴き上げた。 「あッ……あき」  ぐっと突きあげたそれから熱いものが中に吐き出されて、締め付けてしまってさらに快感を生んだ。  はぁはぁと互いの荒い息が聞こえる。ゆっくりと腰を引かれて、「んっ……」と声を上げてしまった。  初めてのことなのに、快感にイってしまった。強烈な快感は後を引いて、引き出されるそれを再び取りこもうと締め付けてしまった。  だけど、アキも一回だけの放出では収まらない熱を保っていて、「お前の身体は足りないようだ」と意地悪く呟くから、「僕も……足りない」と心を付け足した。 「お前のように甘いΩは初めてだ」  一度引き抜かれて、ベッドにうつ伏せにされて腰を持ち上げられた。お尻を突き出すような格好に羞恥してもそれは一瞬のことで、後ろから突きあげられれば快感の悲鳴を上げて受け入れてしまった。 「発情期じゃないんだな?」  確認されて頷いた。  発情期は数週間前に終わった。  だから、快感に流されていても理性を失う程ではない。強烈な発情期の熱に流されてはいない。 「っあああああっ……」  イっている最中にアキが項に唇を押し当てた。強烈な快感に悲鳴を上げた。 「かま、かまないでっ」  発情期ではないから番契約はできないはずだ。だけど、噛まれる恐怖に身体がこわばる。 「分かっている」  熱い息を紡ぎながらアキは答えて、項をなめ上げる。  何度も中に出されて、快感に咽び泣いて意識が混濁して、「もっと」と泣いて……。  気がつくと広い室内に一人で眠っていた。 「……アキ?」  呼びかける声は掠れている。身体はだるく起きあがって腰の痛さに呻いた。  さらさらと着心地のいい寝巻を着せられている。明け方近くに一緒にシャワーを浴びたのは覚えているが、寝巻を着た覚えは無かった。  呼んでも返事は無く、ベッドから起き上がって寝室からリビングに繋がるドアを開いたがそこに姿は無かった。  ああ、遊びだったのか。  リビングの机の上には、『よく寝ていてから起こさなかった』と書かれたれたメモが置いてあった。昨日着ていたスーツは皴にならないようにソファーにかけてあり、新品の下着も一緒に置かれていた。 時計を見れば朝の7時。車は駐車場に入れたままになっているから、一度家に戻っても急げば仕事に間に合う。  だるい身体と痛む腰を押さえて着替えを済ませると部屋を出た。フロントに向かうが、支払いは済ませてあった。
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