10人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫ですか…。今晩は泊まって行かれますか」
と私はコーヒーを飲んだ。
「泊まります…。先生と一緒に寝ます」
私はコーヒーを吹き出す寸前で耐えた。
「だって彼氏じゃないですか…。一緒に寝るくらい当たり前じゃないですか…」
そう言うとまたテーブルに伏せる。
会場を出るまでしっかりしていた上杉さんは、車に乗ると一気に酔いが回った様だった。
それなりに気も張っていたのだろう。
こんなに酔っている上杉さんを見たのは初めてだった。
私は息を吐くと、伏せる上杉さんを見て微笑み、コーヒーを飲み干した。
そしてさっきハンガーに掛けた上着を取り、上杉さんに羽織らせる。
「お風呂、お湯張って来ますね」
そう言うと私はバスルームへと向かった。
バスタブの掃除をしてお湯張りのボタンを押す。
今日はゆっくりとお湯に浸かりたい。
そんな気分だった。
私がそうであるのだから、上杉さんはもっと疲れている筈だった。
最初のコメントを投稿しよう!