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上杉さんは車に乗ると直ぐに寝息を立てていた。
上杉さんを自宅まで送ろうと思ったが、自宅を私に知られる事も嫌かと思い、とりあえず家に連れて帰る事にした。
会場から自宅は車で十五分程だったので、そんなに遠くは無く、ただ歩ける距離ではない。
私はガレージに車を入れると上杉さんを起こす。
「上杉さん、着きましたよ…。上杉さん」
私は上杉さんの耳元でそう繰り返した。
しかし、一向に起きる気配は無い。
仕方なく私は車を降りて、反対側に回ると上杉さんのシートベルトを外し、上杉さんの身体を揺すった。
「上杉さん、上杉さん、着きましたよ」
すると「うーん」と声を上げて、私の肩に手を回して来た。
ちょ、ちょっと…。
私は上杉さんを抱かかえ、家の中に連れて行った。
玄関で一度下ろすと、車のドアを閉めて、玄関の鍵を閉めた。
そして先に上がりまた上杉さんの身体を抱える。
そのままリビングのソファに連れて行くと、上杉さんを寝かせ、ハイヒールを脱がせて玄関へと持って行った。
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