ホワイトムスクの午前三時

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ソファで上杉さんが起き上がるのが見えた。 そしてゆっくりと私の方を見た。 「先生…。おはようございます」 そう言われても、まだ夜なのですが。 「起きましたか」 「はい、起きました…」 眠そうな表情で上杉さんは目を擦っていた。 「今、何時ですか…」 私は時計を見る。 二十三時を少し回ったところだった。 「二十三時過ぎですね…」 眠そうに身体を前後に揺らし、上杉さんは頷いた。 多分、聞いていないのだろう。 「コーヒーでも飲みますか」 と訊くと、上杉さんはコクリと頷いた。
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