3.心の闇

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3.心の闇

次に私が目を開けたのは、天井も壁も白ばかりの部屋だった。 ここは……病院? 「母さん?あぁ、良かった!」 娘のその声に、夫も私の顔を覗き込む。 ああ…私、生きてた? 娘も夫もここに居る…。 ******* 私は、長い長い悪夢を見ていたのだった。 夢の中で、苦しみ、うなされ、泣いていて、娘が声を掛けても、どんなに揺り起こそうとしても、夢から覚めず眠り続けていたらしい。 そのうち過呼吸のような症状を起こし苦しみ出して、病院に運ばれたのだ。 唯一、夢の途中で娘に発見され、彼女の腕に包まれたあの感触と匂いは、病院へ運ばれる途中のものだったと気付いた。 検査の結果、体のどこにも異常は認められず、 『何かのストレスを抱えていて、それがこういう形で出たのではないか…』 との診断だった。 原因はすぐに腑に落ちた。 私は義母の介護に疲れ、数日前、思い切って心療内科で診察を受けていた。
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