雨の公園

　　学校でW語を話すのは禁止されていた。W族は、自分の言語を使えなくなった。W語の教科書は燃やされた。W語の教科書を作った人たちは、五百人以上刑務所に入れられた。
　学校の教科書は、中国語だけになった。

　Wの子供たちは、親が強制収容所へ入れられ孤児になった。T国に連行されたり、孤児院に入れられた。

　小学校は、K族の教師たちの物になり、私は学校を辞めた。

　沈の命令でテロ対策として、W族の家庭にK族の男が出入りすることが決定した。家庭の監視を徹底するためである。

　私の家に来たのは、夫の会社の上司だった。周という名前で、五十歳の大男だ。周は三人で家に居るとき、私の体を触ったり、キスしろと命令した。

　私が嫌がっていると、言う通りにしないと警察にテロリストだというぞ。強制収容所へ行ってもいいのかと、脅した。