第6話

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第6話

話は、10月の下旬頃のことであった。 ありました。 アタシは、松本町にあるダンナと義父母とたけのりさん夫婦と6人で結婚生活を始めた。 婚姻届は、力がついてから出すことにした… しかし、ダンナはアタシと結婚してから2日目に『千鶴と結婚して損した…』と言うてイヤな顔をするようになった。 無理もない… 毎朝5時に起きて、朝ごはんを摂らずに出かけるしたくをする… 6時10分頃に家を出たあと今治バスセンターまで歩いて行く… 始発の松山行きのせとうちバスの特急バスに乗って、いよてつ松山市駅のバスターミナルへ向かう… 松山市駅から北条方面行きのいよてつバスに乗り換えて、ボイラーメーカの工場へ行く… ダンナは、相当な距離と時間と労力を強いられる毎日を送っていた。 ダンナの仕事は、製造工場でホームソフナー(家庭用の水道水を軟水に換える装置)の部品の組み立てをしている。 ダンナのお給料は、毎月18万円… その中から、バスの定期代とお昼のお弁当代と保険料とケータイ代で大きく消耗する… 残った金額は6万数千円だけ… 6万数千円で、結婚生活なんかできない… アタシは、ダンナを選んで大失敗した… たけのりさんは、奥さまとショッケン(日本食研)のキューデン(宮殿本社)で出会って、社内恋愛を実らせて結婚した… たけのりさんの年収は700万円… ダンナは、どんなにがんばってもお給料は6万数千円しかもらえない… ダンナは、イライラが高まると真っ先にアタシに暴力をふるうようになった。 義父母も、『もしかしたら、嫁を選び間違えたかもしれない…』と感じていた。 この時、アタシとダンナは結婚生活をつづけて行くことができなくなったようだ。 事件は、10月31日頃に発生した。 この日は、たけのりさんの職場は午後から社内行事があったので夕方4時に帰宅した。 今夜の夕食は、たけのりさん夫婦が作るローストビーフとポトフとグリーンサラダであった。 夜7時頃に、ダンナが疲れた表情で家に帰って来た。 この時、たけのりさんの奥さんが『ああ…もうかえって来られたのですか…』と言うたあと『まだ準備が出来上がっていないのでもう少し待ってくださいね。』と言われた。 ダンナは、たけのりさんの奥さまにグロウされたと思い込んで腹を立てた。 それから30分後に、ダンナは帰宅した。 この時、両親とたけのりさん夫婦とアタシがローストビーフとポトフを美味しそうに食べていた。 それを見たダンナは、怒鳴り声をあげてアタシたち家族をイカクした。 「何や!!何や一体これは!!オレのことをないがしろにしておいて、何がとびきりのごちそうだ!!」 「義兄さま、義兄さまの分もちゃんと用意できているのよ…」 (バシッ!!) 「痛い!!」 ブチ切れたダンナは、たけのりさんの奥さまの顔を平手打ちで叩いた。 たけのりさんの奥さまの左のほほから血があふれ出た。 たけのりさんは、ダンナになんで奥さまを叩くのかと問い詰めた。 「兄さん、なんで(奥さま)を叩くのだよ!!」 始めたをを真っ先に 「だまれ!!ショッケンで社内恋愛で結婚できたと言うてえらそうな態度を取ったから殴った!!」 「それはいくらなんでもあんまりだよ!!」 「だまれ!!」 (ガーン!!ガーン!!ガーン!!) ダンナは、よりし烈な力でたけのりさんをグーで殴りつけた。 ダンナは、たけのりさんの奥さまに10倍の力を込めて殴りつけた… アタシも、たけのりさんの奥さまにつづいて殴られた… その後、ダンナは外へのみに行くと言うて家を出ていった。 なんでひどいことをするのよ… たけのりさん夫婦が社内恋愛で結婚したことが悪いの… アタシと結婚したことがそんなに不満なの… もうイヤ… リコンしたい… 時は、深夜2時頃であった。 家の居間のテーブルの上にごはんを入れるちゃわんと白だしが入っているきゅうすとたくあんと白菜のお漬物が盛られている小皿が並んでいた。 食卓には、ダンナと義母がいた。 ダンナは、大量に酒をあおっていた。 ダンナは、怒りを込めて義母に言うた。 「サイアクだ!!今夜は豪勢な料理だと言うから帰って来たのに、(たけのりの奥さま)がオレが食べる分をつまみ食いした…オドレだーっとらんとなんとか言えよコラ!!」 義母は、泣きそうな声でダンナに言うた。 「たけひこ、なんでひどいことするのよ…(たけのりさんの奥さま)と千鶴さんにどんな落ち度があるのよ…」 「たけのりが社内恋愛で結婚したことを自慢したから殴った!!」 「たけのりが社内恋愛で結婚したことがそんなに不満なの!?」 「ああ、不満だ!!」 「それじゃあ、どうしたいのよ?」 「ふざけるな!!あんたはオレの貯金を使ってたけのり夫婦の挙式披露宴の費用に充てた…それは今でもこらえへん!!」 「あの時は、たけのりの奥さまの家の人からのリクエストがあったから…」 「ふざけるな!!」 (ドスーン!!) ダンナは、よりし烈な怒りを込めてグーでテーブルを殴りつけた。 「たけのりのせいで、オレがどんな思いをしたのか…わからないのか!!」 「たけひこ、なんでガーガーガーガーおらぶのよ!!」 「あんたらがたけのり夫婦をえこひいきしたからオレの人生がワヤになった!!」 「(泣きそうな声で言う)それじゃあどうしたいのよ?」 「千鶴とリコンする!!」 「どうして千鶴さんとリコンするのよ!?」 「たけのり夫婦がリコンの原因を作ったからリコンする!!…それだけや!!」 ブチ切れたダンナは、食卓から出たあと台所ヘ行った。 ダンナは、冷蔵庫の中から山丹正宗(日本酒)の冷酒が入っている瓶を取り出したあとごくごくと一気にのみほした。 その後、ダンナは家じゅうを暴れまわった。 アタシは、次の日からパートサテライトへ行って仕事を探すことにした。 ダンナのお給料が6万数千円では結婚生活ができないからパートで働いて不足分を稼ぐしかない… 多少条件が悪くても、雇って下さるところがあればいいと思ってやみくもに面接に行った。 しかし、不採用ばかりがつづいたので気持ちがヒヘイした。 追加募集で入学した私立高校の家政科卒業で、職歴は家事手伝いのみ… 資格特技はないけど、体力には自信がある… しかし、アタシを必要としている職場はどこにもなかった。 もうどうすることもできなくなった… もうダメ… パートサテライトに行っても、アタシの身丈に合うパートが見つからない… どうすればいい… アタシは、パートが見つからないこととダンナと結婚生活を続けて行く自信がなくなったので、リコンして浜松の実家ヘ帰ることを考え始めた。 そんな中あった。 たけのりさんは、会社から海事部への異動を命ぜられた。 たけのりさんは、東南アジアで展開していた事業を任されていたが大失敗したので後始末しろと言われた。 このために、バンコクの支店ヘ急きょ行くことになった。 11月2日の夕方頃であった。 帰宅したたけのりさんは、奥さんに海事部への異動を命ぜられたことを伝えた。 「オレ…明日…バンコクの支店に行くことになった…」 「バンコク…」 「東南アジアで展開していたプロジェクトが大失敗に終わったから責任取れと言われた…」 「それって…アタシが立案したプロジェクト…よね…」 「そうだよ…オドレが立案をした企画がトンザしたから…オレが全責任を取る形で行くんや!!」 「それで…いつまでかかるの?」 「分からない…この間の大規模な洪水で工場の大部分が水に浸かった…それが原因で工場の設備が使えなくなったので、工場が稼働できなくなった…工場の製造の機械を新たに買い直すためには、少なくても3000万円が必要になる…だけど、それも不可能になった。」 「それじゃあ、工場はどうなるのよ!?」 「工場は解体されることになった!!オレは従業員さんたちの再就職先を探せと会社から命ぜられたのだぞ!!」 「そんな…」 「それよりも、お前はどうするのだ!?」 「アタシ…働く…ショッケンは無理だけど…別のところで働く…」 「あてはあるのか?」 「新居浜にいる知人から、駅前のパルティ(フジ)の中にある…エステ店で一緒に働かないかと誘われた…」 「そうか…」 たけのりさんの奥さんは、新居浜のエステ店で働くことをたけのりさんに伝えた。 たけのりさんは『それじゃあ、オレ…タイに行って来る…』と奥さまに言うた。 その一方で、アタシはパートサテライトに行って仕事を探していたけど、身の丈に合うパートはどこにもなかった。
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