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第８話
さて、その頃であった。
ところ変わって、松山市堀江町のにボイラーメーカの工場にて…
ダンナは、決められた時間にホームソフナーの部品の組み立てのお仕事に取り組んでいた。
お昼休みを知らせるサイレンが鳴ったので、従業員さんたちは休憩室に行った。
休憩室にて…
ダンナは、クリーム色のキャリーの中からお弁当箱を取ったあと、空いている席に座ってお弁当を食べていた。
そんな時であった。
ダンナのもとに、職場でいつもよくして下さっている河中さんがやって来た。
「たけひこさん…ちょっといいかな？」
「何や!!何しに来た!?」
「たけひこさんの今後の人生設計にお話がしたいのだよ。」
「後にしろ!!」
「私は、たけひこさんの遠距離通勤の負担を減らしてあげたい…」
「いらないことをするなよボケ!!」
「それじゃあ、このまま遠距離通勤をつづけるつもりでいるのか？」
「あんたはオレをどうするつもりだ!?」
「どうするつもりって、負担を減らしてあげたいのだよ…」
「だからいらないことをするなといよんのが聞こえないのか!?」
「困ったな〜とにかく話がしたいから座るよ。」
河中さんは、ダンナに『座るよ…』と言うた後、ダンナの向かい側の席に座った。
その後、河中さんはお弁当を食べながらダンナとお話をした。
「たけひこさんは、毎日今治の自宅からここまでバスを乗り継いで休まずにがんばって通勤している…お給料が少なくても文句ひとつ言わずにがんばって働いているから、負担を減らしてあげたいのだよ…それでね…いい話があるから…」
ダンナは、不信感をこめて河中さんに言うた。
「そんなクソたわけた話なんか信用できん!!」
河中さんは、ものすごく困った声でダンナに言うた。
「たけひこさん、私は本当にたけひこさんの負担を減らしてあげたいと言うてるのだよ。」
「だから、どのようにして減らすといよんかはっきり言えよ!!」
「困ったなぁ～」
河中さんは、ひと間隔を空けてからダンナに言うた。
「私は、たけひこさんにこっちで暮らしてみてはどうかと提示しているのだよ。」
「男のひとり暮らしができる部屋がないのにどうやってここで暮らすのだ!?」
「暮らす部屋はあるよ。」
「ウソつくなボケ!!」
「ウソじゃないよ…」
「ウソつくな!!」
困った河中さんは、ダンナにこう言うた。
「それじゃあ、たけひこさんは私がなに言うてもキョヒするのだね。」
「ああ、そうだよ!!」
「おとーさまから聞いたけど、この最近ご家族と不仲になっているといよったよ。」
「不仲の原因は、たけのりにあるんだよ!!ショッケン(日本食研)のキューデン(宮殿本社)で嫁と知り合って社内恋愛を実らせて結婚をしたので態度がえらそうなになった…だからボコボコにしわいた（殴りつけた）!!」
「なんでそんなリフジンなことをしたのか？」
「たけのり夫婦がオレに『ざまーみろ』と言うてチョウショウした!!」
「困ったな〜」
河中さんは、お弁当を食べる手を止めたあとダンナにあきれた声で言うた。
「この際だから言わせてもらうけど、たけひこさんはご家族と離れて住み込みでこっちへ移った方がいいよ…平田町にある従業員寮の部屋を用意しておいたから…こっちへ移りなさい。」
「平田町の従業員寮…」
「ああ…ごはん作ってくださる人も掃除洗濯をして下さる人もいるからなーんにもしなくていい…休日には松山市内へ遊びに行けるのだよ…お給料も自由に使えるのだよ…結婚したくないのであれば、こっちへ移った方がたけひこさんの負担が減るから…」
河中さんの言葉を聞いたダンナは、どうしようかと考えた。
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