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第9話
それから3日後のことであった。
ところ変わって、新居浜駅の近くのパルティのパン屋さんの前にて…
エステ店で働いているあいりさんは、あきとさんと再会した。
あきとさんは、ウキウキした表情で『ビッグニュースがあるので聞いてくれる?』とあいりさんに言うた。
あいりさんは、あきとさんに『お昼食べながら話をしましょう。』とやや冷めた声で言うた。
ところ変わって、パン屋さんのサロン席にて…
サンドイッチと飲み物を注文したふたりは、サロン席に座った。
このあと、あきとさんはあいりさんに『11月20日の日曜日は予定を空けておいてね…』と言うた。
あいりさんは、おどろいた表情で『えっ?どうして?』と言うた。
あきとさんは、11月20日は高木町に富士結婚式場でブライダルフェアがあるからの予定を空けてほしいとあいりさんにお願いした。
あいりさんは、ひどくとまどった表情であきとさんに言うた。
「ブライダルフェアに行くから予定を空けてくれなんて…困るわよ〜」
「あいり、うれしくないのかよぉ〜…フツーだったら『わあうれしい、一緒に行こうね…』と言うんだよ…」
あいりさんは、つらい声であきとさんに言うた。
「あきとくん…あきとくんは…カノジョはいないの?」
「カノジョ?」
「あきとくんの周りに、身の丈に合うお相手はいないの?」
「いるよ…ここに…」
「あきとくん。」
「オレ、あいりのことが好きだからブライダルフェアへ行こうねと言うてるんだよ…3日前にあいりがオレにのことが好きだと言うたじゃないか…」
「あきとくん、落ち着いてよ…」
「落ち着いているよぉ…だから予定を空けてくれよ…『一緒にブライダルフェアに行こうね…』と言うてよ…」
あいりさんは、困った表情で『ブライダルフェア、一緒に行こうね…』とあきとさんに言うた。
あきとさんは『やったー…うれしいな…』と言うてはしゃいだ。
あいりさんは、ものすごく困った表情で『アタシは人の妻なのよ…』とつぶやいた。
あきとさんは、ウキウキしながら勤務先の町工場へ戻った。
ところが、それから二時間後にあきとさんは地獄へ突き落とされた。
ところ変わって、坂井町にある町工場にて…
あきとさんは、作業場で作業中に工場の経営者に呼び出された。
工場の経営者の男は、爪の手入れをしながらえらそうな口調であきとさんに言うた。
「あきとさん…この3日間ウキウキしていたみたいだけど、調子にのるのもたいがいにせえよ…」
「それはどういう意味でしょうか?」
「意味はないけれど…それよりも、今から30分前に駅前のパルティからクレームの電話がかかってきた…あれどういうことぞ?」
「どういうことって…」
「きみ、今日も駅前のパルティで女性店員さんを待ち伏せしていたみたいだね。」
「待ち伏せなんかしていません!!」
「どーだか…それはそうと、君はこの最近お弁当を食べてないみたいだね…昨日もおとといも…その前もそうだった…うちで注文する弁当がそんなにイヤか?」
男の問いに対して、あきとさんは返す言葉がなかった。
男は、生意気な声であきとさんに言うた。
「オドレは、エステ店の女のコとどなな関係があるねん…何がブライダルフェアへ一緒に行こうねか…」
男は、ひと間隔おいてからあきとさんに生意気な声で言うた。
「あのねあきとさん…すまんけど明日から仕事を探してくれる?」
「えっ?仕事を探せ…」
「意地悪で言っているのじゃないのだよ…うちの工場のケイヒをセツヤクしたいからやめてくれといよんや…頼むよ…この通り…」
男は、両手を合せてあきとさんに工場をやめてくれと頼んだ。
「ふざけるな!!」
(がツーン!!)
ブチ切れたあきとさんは、男のこめかみをグーで殴りつけた。
「なにしやがる!!」
「オドレぶっ殺してやる!!」
あきとさんは、男をボコボコにしわき回した(殴りつけた)。
「やめてくれ〜」
「ふざけるな!!なにがケイヒセツヤクだ!!」
「工場は今火の車状態であることがわからんのか…」
経営者の男をボコボコにしわき回したあきとさんは、男のサイフから現金30万円とクレジットカード5種類と8万円チャージされているワオン(電子マネー)を強奪した。
それだけでは怒りがおさまらなかったので、あきとさんは工場の備品で高価な物と会社の金銭をも強奪して出ていった。
時は、夜8時過ぎのことであった。
あきとさんは、敷島通りの居酒屋にいた。
カウンターの席に座っているあきとさんは、大量に酒をのんでいた。
事件は、それから一時間半後に発生した。
あきとさんは、となりの席に座っている男がのんでいるビール瓶に手を出したのでトラブルになった。
「コラ!!」
「なんだよぅ〜」
「人がのんでいるビールをのむな!!」
「のみてーんだよ…」
「のみてーんだったら注文せえよ!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」
(ガシャーン!!)
あきとさんは、男の頭を空のビール瓶で殴りつけた。
「アニキ〜、助けてくれ〜」
殴られた男は、近くにいた仲間数人に助けを求めた。
殴られた男は、となり町の暴力団の構成員だった。
「オドレよくも仲間を殴ったな!!」
「オドレやるんか!!」
あきとさんは、数人のヤクザの男たちと店内で乱闘を繰り広げた。
乱闘は、双方がボロボロに傷つくまでつづいた。
あきとさんの心は、大きく壊れていたようだ。
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