プロローグ 1

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プロローグ 1

 私の名前は、亜紀子。  名字は捨てた。  私の名前の一部として名乗りたくないからだ。  あいつらの血縁かと思うだけで、身の毛がよだつ。  あいつらとは、両親だ。  父親が高木哲也(たかぎてつや)。  母親が高木悦子(たかぎえつこ)。  忌々しいことこのうえないが、こいつらが血縁。  遺伝子学的にも法的にも、この事実から逃れようがない。  特に法律は残酷だ。  子どもは親を選べないのに、生まれてしまったが最後、死ぬまで、法的な親子関係の束縛から逃れることができない。  その結果、死ぬまでひどい目に合わされることが明白であっても、だ。  法律というのは、現実に即して弱者や被害者を救済するには、あまりに杜撰でお粗末だ。
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