10人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ 1
私の名前は、亜紀子。
名字は捨てた。
私の名前の一部として名乗りたくないからだ。
あいつらの血縁かと思うだけで、身の毛がよだつ。
あいつらとは、両親だ。
父親が高木哲也。
母親が高木悦子。
忌々しいことこのうえないが、こいつらが血縁。
遺伝子学的にも法的にも、この事実から逃れようがない。
特に法律は残酷だ。
子どもは親を選べないのに、生まれてしまったが最後、死ぬまで、法的な親子関係の束縛から逃れることができない。
その結果、死ぬまでひどい目に合わされることが明白であっても、だ。
法律というのは、現実に即して弱者や被害者を救済するには、あまりに杜撰でお粗末だ。
最初のコメントを投稿しよう!