プロローグ 2

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プロローグ 2

 話が横道にそれた。  私が言いたいのは、あれが己の親だと知っていたら生まれてこなかった、自力でなにがなんでも流産した、ということだ。  家族が良いものだという普遍的な風潮がある。  私には毛の先ほども理解できない。  むしろ、真逆だ。  家族ほど、私の人生と魂を蝕み続け、破壊し続ける存在はいない。  さて、どこから話そうか。  やはり、初めからになろう。  しかし、幼少期のことを話すとなると、少し難しい。  ものごころつく前のことは、記憶が曖昧なこともあるから。  それに、この語りは、どうしても時系列が前後してしまう。  なるべく順序立てて話すけど、混乱を招いたらごめんなさい。  それでも、  それでもね、  語りを始めてみよう。
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