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「日暮れまでには、城にお帰りなされ。教会の鐘が鳴ると魔法は解けて、娘さんは元の姫さまに、黒猫は従者の姿に戻ってしまうよ!」
ディアボラが杖をもう一振りすると、カルボナーラ姫と黒猫は、かげろうのようにゆらめいて消えてしまいました。
ディアボラは満足気にうなずいて、さらに杖を振りました。
すると、ベッドにぐっすりと眠っている姫君と、その傍で椅子に座ってうたた寝している従者の姿が現れました。
「まあ、優秀な魔法使いなら、これくらいのことはできないとね。さてと、あの生意気な小娘に、ちょっといたずらでもしてやろうか」
ディアボラは、笑みを浮かべ杖を一振りすると、ゆらゆらと消えていなくなりました。
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