1 L’Apéritif (食前酒)

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1 L’Apéritif (食前酒)

むかしむかし、あるところに、ひとりの姫さまがおられました。 モッツァレラチーズのように、白くみずみずしい肌、ぷるんとしたほっぺたに、かわいらしいそばかすが、まぶした黒胡椒のようにてんてんと踊っておりました。 侯爵閣下は、「こりゃあ、炭の粉がふりかかったのかな?」と、ひとり娘をカルボナーラ(炭焼き職人)と呼んで、たいそうかわいがっておりました。 「いや、だからそれ、コンプレックスだって!」 姫さまは、ぷくっとそばかすほっぺをふくらませるのでした。
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