2 L’Entrée (前菜)

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最初は大喜びだったカロボナーラ姫も、さすがに4日、5日と続くメガカロリーディナーに、すっかり食傷気味のご様子。 それでも、お城の晩餐会といえば大切な社交辞令、侯爵令嬢たるもの「今日はパス!」というわけにはまいりません。 ドレスのウエストは、日ごとにぱっつんぱっつん、侍女がコルセットでギリギリ締め上げていると、従者(ヴァレット)が呼びに参りました。 「姫さま、晩餐の準備が整いましてございます」 「わかったわ、ファルファッレ・・・うぐぅ・・・すぐに・・・うぐぐ・・・」 この従者は、いつも蝶ネクタイをしておりましたので、姫さまからファルファッレ(蝶々)と呼ばれて慕われておりました。 「姫さま、あまり締め上げますと、お食事がのどを通りませんよ」 「そうなのよ。でも、このままお父さまみたいなニョッキ(もっちりとしたじゃがいものパスタ)体型になっちゃってもね」 「いえいえ、姫さまはフィットチーネ(平たいロングパスタ)みたいにぺったんこでございますよ!」 「ありがと!(ん?もしかしてお胸のことか?)・・・ところで、今日はどんなメニューかしら?」 「たしかスペインから取り寄せた、イベリコ豚のグリルだとお聞きしております」 「豚さん?」 「はい。森に放牧して、どんぐりを食べて育った、希少な品種だと」 「あら、おいしそう!」
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