26人が本棚に入れています
本棚に追加
最初は大喜びだったカロボナーラ姫も、さすがに4日、5日と続くメガカロリーディナーに、すっかり食傷気味のご様子。
それでも、お城の晩餐会といえば大切な社交辞令、侯爵令嬢たるもの「今日はパス!」というわけにはまいりません。
ドレスのウエストは、日ごとにぱっつんぱっつん、侍女がコルセットでギリギリ締め上げていると、従者が呼びに参りました。
「姫さま、晩餐の準備が整いましてございます」
「わかったわ、ファルファッレ・・・うぐぅ・・・すぐに・・・うぐぐ・・・」
この従者は、いつも蝶ネクタイをしておりましたので、姫さまからファルファッレ(蝶々)と呼ばれて慕われておりました。
「姫さま、あまり締め上げますと、お食事がのどを通りませんよ」
「そうなのよ。でも、このままお父さまみたいなニョッキ(もっちりとしたじゃがいものパスタ)体型になっちゃってもね」
「いえいえ、姫さまはフィットチーネ(平たいロングパスタ)みたいにぺったんこでございますよ!」
「ありがと!(ん?もしかしてお胸のことか?)・・・ところで、今日はどんなメニューかしら?」
「たしかスペインから取り寄せた、イベリコ豚のグリルだとお聞きしております」
「豚さん?」
「はい。森に放牧して、どんぐりを食べて育った、希少な品種だと」
「あら、おいしそう!」
最初のコメントを投稿しよう!