472人が本棚に入れています
本棚に追加
14:繋がって融けて溺れたい
どうなるか想像出来なくて怖いけど、なんでかこの人の言うことは信じられるような気がして。
「っん、んぅ……ッ」
とにかく痛みから解放されたい一心で、俺は外側に力を入れた。
だけど、
「っあ、うぁああ゙……!」
外に力を入れるということは、必然的に後孔が広がるってことで。
引っ掛かっていたカリが、ずるっと入って、あとはびっくりするくらい、引き込まれるように狭いナカを掻き分けて、全てが一気に収まった。
「っふぁ、ぅ、やぁ……っ」
急な刺激にびっくりしたものの、飽和状態の後ろの感覚に、ぶるっと身体が震える。
ナカが、満たされている。
ギリギリまで穴が広がって、痛くはないけど、キツい。下手に動けなくて、怖い。
俺、兄ちゃんのちんこ、全部銜え込んだんだ。
「大丈夫ですか……?」
吐息とともに吐き出される、余裕のない声。
Tシャツを捲り上げられてるから、直接背中に兄ちゃんの服が当たって、体温がじんわりと伝わる。
四つん這いの俺にのし掛かるような体勢だけど、その加減された重みが逆に、俺に安心感をもたらしてくれて。
「っはぁ、は……ッ」
何もしてないのに息が荒くなる。
少しの怯えと確かな興奮が、熱い後孔から全身に駆け巡る。
俺と同じくらい兄ちゃんの体温は高い。
尻に腰が密着してるのが分かる。
全部、入ってるんだ……。
声色は明らかに辛そうで、だけど俺が慣れるまでは動かないでいてくれる。
その優しさと、幸福感に似た気持ちが相まって、俺はやっと身体から力を抜くことに成功した。
「……すみません、痛いですよね……。馴染むまで動かないんで、安心してくださいね」
「っな、なあ……」
「はい……?」
「も、いいから、動け……よ」
「っえ、」
ぐんっ、とナカの存在が大きくなる。
後ろの、奥の柔らかいところが更に広がる感覚と、なんとも言えない沸き上がってくるような痺れに、身体がびくりと跳ねた。
「っあ、おっきく、すんな……!」
「す、すみません……っ」
「はやく、もう、大丈夫だから……ッ」
度重なる羞恥と、我慢。
長い間焦らされて、相手が男で自分が突っ込まれるほうだと言うのに、俺はもうすっかりその立場を受け入れてしまっているらしい。
鈍い痛みと焼けるような熱さの結合部から、じわじわと溢れてくる快感に流されるようにして、俺は急かした。
こんなので思いっきり突かれたら、多分まじで死ぬ。
だけど、それを期待してしまってる自分もいる。
「いいんですか?」
「いい、いいからぁ……っ」
甘えるような声が出て、男のプライドなんてあったもんじゃない。
自尊心すらどこかに置いてきた。
……今だけだ。
この閉鎖空間のせいで、いやらしいことをされたせいで、おかしくなってるだけ。
「無理そうなら言ってくださいね」
耳許で囁く低い声にドキリとする。
『今の自分はおかしくなっているから』と心のなかで言い訳して、俺の意識はすぐに行為へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!