俺たちの効果音

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 理人さんは、わかりやすい。 「うーん、美味しい!」  理人さんの落ちそうなほっぺがモグモグと動き、ごっくんと音を立てながら喉仏が上下した。  いそいそと二口目をスプーンですくい上げる姿を見守りながら、俺もわらびもちを味わう。  口に含むなり餅はあっという間にとろけ、きな粉の濃厚な味が舌の上を漂った。 「すごい、柔らかいですね」 「うん」 「すぐに消えてく」 「うん」 「きな粉もちょうど良い甘さだし」 「うん」 「次は、黒蜜かけてみましょうか」 「うん」 「理人さん」 「うん。……ん?」 「慌てないで、ゆっくり食べて? 誰も取らないから」 「……うん」  はにかんだように笑い、理人さんはスプーンを置いた。  熱々の緑茶の入った湯飲みを持ち上げ、一口すする。  それを何度か繰り返し、理人さんは湯飲みをコトンとテーブルに置いた。 「……佐藤くん」 「はい?」 「好きだよ」 「はい。俺も――」 「幸せすぎて死にそうだ」 「……」 「愛してる」  ふたつのアーモンド・アイがトロン……と蕩け、俺のハートが、きゅんっと音を立てた。  fin
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