耳障りなほど晴れた夏の日に

1/8
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 夏が来た。学生達が浮き足立つ季節。  そういう私も学生なのだけど、この季節はどうも好きになれない。  恋愛脳の高校生達は、この時期になるとより一層、その手の話で持ちきりになる。  恋なんて特にしたいと思わない私にとっては蚊帳の外といった感じで、みんなが目をキラキラさせながら騒いでいる感覚が1mmも理解できなかった。  こんな暑いだけの季節、早く過ぎ去ってしまえば良いのに。  うるさい蝉の音も、じりじりと焼けるような太陽も、全てが青春だったと思える時がこんな私にも来るのだろうか。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!