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それからも翼の様子を伺ったけど、やはり繭子との不倫は終わってはいなかった。
やはりあのラブホテルで、繭子と会っていた。
私との毎日を大切にしてくれると思っていたけど、それは私の思い込みだったのかもしれないーーー。
「……翼、話があるんだけど」
「話? なんだ?」
私はとうとう、翼に核心を迫ることにした。
「……柚衣?」
こうなったら不倫してた事実を突きつけてやるんだから。 不倫してたことを白状させて、私を裏切ったことを絶対に許さない。
「ねえ……いつまで不倫、続けるつもり?」
「え?」
「不倫、してるよね?繭子と」
私がそう言った後、翼の表情は変わった。そして、私から目を逸らす。
「繭子と不倫してるの、私知ってるんだ」
「な、何言って、んだよ……」
明らかに翼の表情はおかしい。額から汗が出始めている。
「惚けないで、翼。……正直に答えてよ」
「いや……それは……!」
「何?私が不倫のこと、知らないとでも思った?」
そう聞くと翼は、黙り込んでしまった。
「私、翼と繭子がラブホテルに入っていく所見てるよ。……この目でちゃんと見たんだから」
それは私が確実に見た証拠。その証拠が確かだから。
「……柚衣、ごめん」
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