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なんで……。なんでそんなこと……。
繭子は最初から、私と翼のことを応援しててくれていた訳じゃなかったんだ。
繭子は私のことが憎かった。私が翼のことを奪ってしまったから。
だから繭子は、私の親友のフリして私を傷つけていたんだ。……私は繭子にすっかり騙されていたんだ。
「そしたら案の定、翼は私の言う通り不倫関係を持ち続けたわ。アンタにはバレないようにするって言ってね。 アンタの夫もチョロい男だったわ」
その言葉を聞いた私は、怒りでムカついて繭子の頬を強く引っぱたいていた。
「……繭子、アンタって最低だね」
繭子を睨みつけると、繭子は私に怪しい微笑みを向けながら「アンタも最低でしょ?私の男を奪ったんだから!」と頬を押さえながら怒りを顕(あらわ)にした。
「……どうして言ってくれなかったの」
「はあ?」
「どうして言ってくれなかったのよ!……そしたら私、繭子のこと気持ちを知ってたら、翼とは結婚しなかったかもしれないのに……」
繭子のことは本当に信じてた。本当に親友だと思っていたのに……。
でもそう思っていたのは、私だけだったみたいだけど。
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